家を建てる際には、土地の広さや形状も大きく関わってきます。
都心や人気のエリアで土地を購入すると、どうしても価格が高騰しており、条件の悪い土地や面積が狭い狭小地しか取得できない場合もあります。
しかし、注文住宅なら、土地の形状や広さに合わせて一から設計してもらって家を建てられるので、自由度が高く希望に近い家を建てられるといった魅力も。
ですが、やはり狭小地ならではの問題も出てきますので、注文住宅を建てる際のポイントを押さえておきましょう。
狭小地や狭小住宅について明確な定義はありませんが、15~20坪以下程度の狭い土地を狭小地と呼び、その狭小地に建てられた住宅を狭小住宅と呼びます。
狭小地は、三角形や台形などの変形地であることも多く、隣の建物との間隔も狭いので、狭小住宅を建てる際には採光や通風、プライバシーなどを確保できるような家づくりが必要になります。
狭小住宅を建てる場合には、一般的な家を建てるよりも特殊な設計や工夫が必要になることもあります。
狭い土地に家を建てると、どうしても1階あたりの面積が狭くなって生活スペースを確保しにくくなるので、3階建ての住宅になることが多くなります。
しかし、多くの2階建ての木造住宅には構造計算は不要ですが、3階建てになると安全性を高めるために構造計算を行い、地盤調査や地盤補強をする必要が出てきます。3階建てにすると建築費用も割高になりますし、工事も複雑になります。
また、防火地域では3階建ての木造住宅は建てられないなどの規制もあるため、自由に3階にできるとも限りません。
面積の狭い家では、動線を確保して生活しやすい間取りを作るために工夫が必要になります。また、3階建てにする場合には、1階に水回りやキッチンを配置するなど、ライフスタイルに合わせた間取りの工夫をしなければなりません。
狭小地では隣家との距離が近いため、お互いのプライバシーを確保するために、窓の位置にも気を配らなければなりません。効率的に採光や通風を取り入れるためには、天窓なども利用して隣家との生活音が響かないように防音対策を施す必要もあるでしょう。
狭小住宅では、ふつうの家では見逃してしまうような、階段下やクローゼットの上部など、ちょっとしたデッドスペースもフルに活用して無駄をなくした設計をしなくてはなりません。
細かく部屋を区切ると、仕切りの分スペースが取られてしまいますし、個室が狭くなって生活しづらくなるので、思い切って開放的な空間にするような工夫も取られています。
これらのポイントを踏まえて快適な狭小住宅を作るためには、同じような面積の狭い家づくりを得意とするホームメーカーや設計士に依頼するのがよいでしょう。
一見住みにくそうに見える狭小住宅にも、ほかにはないようなメリットがあります。
もし、狭小地をお持ちで家を建てたいと思っているなら、狭小住宅ならではのメリットを生かした家づくりをしてみましょう。
デメリットとしては、3階建てや敷地ギリギリに建てることで建築費用が割高になりやすい、敷地に余裕がなく工事がしにくいといったことが挙げられますので、狭小住宅を建てる際には狭小地での経験豊富な業者に依頼するのがもっとも大切なポイントです。